Epoh.Lifeブログ
メンタルヘルスの全体像 ~Epoh.Lifeのメンタルヘルスの地図~
Epoh.Lifeに通所を始めた方には、
「この図が、Epoh.Lifeで取り組むメンタルヘルスの全体像です」
そうお話ししています。
初回面談だけではなく、
プログラムの中でも、
面談の中でも、
ことあるごとにこの図に戻ってきます。
学術的な精緻さを追い求めていません。
ただ後述するように、
自分がメンタルヘルスの問題で悩んだ時に立ち戻る地図としての役割を持っています。
Epoh.Lifeでは、メンタルヘルスの問題を体系的に理解することをとても大切にしています。
自分で立ち戻ることができる=セルフコントロールに繋がるからです。
この考え方は、うつや双極性障害からの回復だけでなく、リワーク(復職支援)や再発予防にもつながると考えています。
以下、主要な概念ごとにまとめてご紹介します。
1.引き金と注意サイン
図の左側には、
・引き金
・注意サイン
があります。
引き金とは、不調のきっかけになる出来事です。
・職場での人間関係
・環境の変化
・将来への不安
・経済的な問題
「自分の外側からやってくるもの」というイメージです。
一方、注意サインは自分の内側に起きる変化です。
認知行動療法的な発想で、3つの視点で整理しています。
・気持ち
・行動
・身体
不調になると、私たちには様々な変化が現れます。
・眠れなくなる
・イライラする
・人と会いたくなくなる
・逆に活動的になりすぎる
そうした変化です。
Epoh.Lifeにおいて、「引き金」と「注意サイン」を分けて考えることをとても大切にしています。
これらは、セルフモニタリングや自己理解につながるからです。
また、WRAPでも引き金や注意サインは重要なテーマとして扱われています。
2.対処
引き金や注意サインに気づいた後は、自分の不調にどう「対処」するかが必要です。
ここでは認知行動療法がとても役に立ちます。
認知行動療法というと、「認知の歪みを修正するプログラム」というイメージを持たれる方もおられるかもしれません。
ですがEpoh.Lifeでは、メンタル不調の対処に関する様々な技法の体系、集合体という理解をしています。
・対処は左から右に認知行動療法の技法が並んでいます。
左に行くほどうつの度合いは強く、右に行くほど回復が進んでいるという見方をします。順番としては、
1.行動活性化療法
2.認知療法(7コラム等)
3.問題解決技法
4.アサーション(アサーションは対人関係の問題を解決する手法の1つと考える)
1から4の順番が大切と伝えています。
なぜなら、1➡4に行くほど、負荷が強くなるからです。
たとえば、全く気力がわかず、十分な休養が必要な時期に、過去を振り返るようなプログラム(7コラム)や、葛藤のある対人コミュニケーション(アサーション)を行えば、うつが悪化しかねないからです。
この順番の理解が足りなかったために、私は何度もつまずきました。
対処には、科学的な根拠を持つ認知行動療法を中心的に位置づけていますが、
朝起きたら日光を浴びる
散歩をする
好きな音楽を聴く
といった日常生活上の工夫も含まれます。
このあたりは、認知行動療法の行動活性化でも扱います。
ですが、個々人が持つ日常生活上の工夫は、WRAPによる整理が生きる領域でもあります(元気の道具箱・日常生活管理プラン・行動プラン等)。
3.この図が果たすのは地図としての役割
この図からは、もっといろいろなことが読み取れますが、それは今回のブログでは控えます。
それよりも、この図の最も大切な役割は以下の通りです。
Epoh.Lifeでは、WRAPや認知行動療法を学ぶこと自体を目的にはしていません。
これらは、状況に応じて取り出して使うための道具です。
目的は、あくまで抑うつ状態や気分の改善です。
そうした時、
今の自分はどこにいるのか。
何が引き金になっているのか。
どんな注意サインが出ているのか。
そして、どのツールを使うと、メンタル不調を緩和させたり、問題を解決できるのか。
それを考えるための地図として、この図を使っています。
初めて見た時は、個々の技法すら知らない段階ですから、理解は難しいと思います。
でも、数か月後に一通り認知行動療法、WRAPに取り組んだ後、
もう一度この図を見ると、
「ああ、こういうことだったのか」
と話される方は多いのです。
